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山下 真一*; 端 邦樹; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*
no journal, ,
通常の水の放射線分解では水分子が放射線のエネルギーのほぼ全てを吸収し、発生した活性種が系内に均一に拡散した後に溶質(イオン等)と反応する。しかし、高濃度の溶質を含む場合、水分解活性種が拡散する前に近隣の溶質と反応することになる。この現象は、放射線分解反応の初期過程に影響を与え、放射線分解生成物の一次収量(g値)を変化させる。その結果、過酸化水素や酸素等の酸化性の水分解生成物の発生量も変化するため、溶液に接触する材料の腐食挙動への影響も懸念される。本研究では、海水の主成分である塩化ナトリウム(NaCl)の水溶液の放射線分解反応をパルスラジオリシス法により観測し、モデル計算をあわせて行うことで、海水の放射線分解の初期過程の反応機構を把握することを試みた。その結果、短寿命のためこれまであまり観測されてこなかったClOH(塩化物イオンとOHラジカルとの反応で生じるラジカル)の減衰挙動をモデル計算では説明できず、これまでに報告されていない反応の存在が示唆された。
永石 隆二; 井上 将男*; 近藤 孝文*; 神戸 正雄*; 吉田 陽一*; 桑野 涼*
no journal, ,
海水等の塩化物イオンが溶存する水溶液系では塩化物濃度が高くなると、塩化物の放射線分解(直接作用)だけでなく、水の分解生成物のプライマリ収量の変動(間接作用)が起きる。このため、水と塩化物由来の生成物の収量は塩化物濃度に依存して変わるが、それらの物質収支は依存せずに保たれている。ただし、二次反応等で生成物の複雑さが増すため、時間経過等に伴い物質収支の評価は困難になる。そこで本研究では、低LET放射線を用いた実験の結果をもとに水溶液系の分解生成物の物質収支を評価するとともに、関連する文献値等の検証を試みた。
永石 隆二; 松村 太伊知; 奥村 啓介
no journal, ,
デブリが共存した水(反応系)中では放射線分解が起きて、高反応性の生成物(ラジカル・分子)が長期にデブリと接触・反応し、その状態に影響を及ぼす(経年劣化)。ここで、放射線分解や照射損傷といった放射線効果は、一般的に評価される線量だけでは説明できず、放射線の線質(線種、エネルギー)に依存した考慮が必要である。そこで本報告では、前の報告で評価した線種毎のエネルギー分布を放射線化学的に統合した。さらに、線種毎に影響範囲の異なる、反応系での不均一なエネルギー付与に基づく放射線効果について議論した。